受付の彼はデスクでランチのサラダを突いている。
”終わったみたいです。どうしたらいいですか?”
”それじゃちょっとIDつくるから、ちょっと待ってください”
そういいながらサラダをもうひと突き。
3分程で行程が終了。
”これが、recommendation、そしてこれがライセンス、これは車のグラブコンパートメントに常に入れておく、そしてこれが最後、このIDを財布にいつも入れておく事。一年間有効なので切れる前に更新してください。”
3種類のIDを手にする。
recommendation 推薦状、これをもってマリファナディスペンサリーといういわゆる薬局に行くわけである。
ライセンス、もし車に乗ってて職務質問され、その時にマリファナを所持している場合はこれがコンパートメントにはいっていれば大丈夫というわけである。
ID、もし道を歩いてて職務質問され、その時にマリファナを所持している場合これを携帯していれば大丈夫というわけである。
“じゃ今日の診察料と推薦状で$150になります。現金、アメックス、マスターカード、ビザ、どうします?”
現在の為替相場で¥13,500。これで合法にマリファナにアクセスできるようになったわけである。
日本発行のアメックスで代金を支払い、その場を後にした。
“このフリーペーパーよかったらもっていきな”
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2009
$150
2009
白髪Dr.
準備はできたかい?come on in.
と最初の患者を送り出すと同時に担当医がオフィスへと導く。
60代後半だろうか、白髪でメガネ、白髭の初老のDr.が自分を受け入れる。
固い握手を交わし、自己紹介、そして自分のついても説明しなさいと面接/面談はスタートする。
”先月日本からアメリカに移住したところで、長年悩まされている腰痛が医療大麻によって改善されるのであれば是非処方してほしいのですが”
”日本から来たのか?もう何年も前の事だが東京には1週間滞在したことがあるよ。グリーンカードを取るのは大変だったかい?”
”妻と2年前に日本で結婚したので、”
”2年もこの国の移民局は君を待たせたのかい?本当にこの国の移民局は本当にひどいもんだ”
実際グリーンカードは結婚後すぐに取得はしていたので自分の話の続きを待たずに移民局の悪口を言い出したDr.にここはあわせる事にした。
“そう、問診票を見る限り、慢性腰痛なんだって?主治医の診断書出してくれるかい?”
詳しい事を調べずにこのプロジェクトを開始したこともあり、ぶっつけ本番の展開がここで始まる。
どうやら話の感覚から言うと、
まず主治医に診てもらう。その医者がこの患者は慢性的な腰痛ですと書いてサインをした診断書を手に入れる。
その診断書をもって、医療大麻を処方できる医者に診てもらい、そのDr.からrecommendation 推薦状という名のライセンスを発行してもらうのが順序らしい。
当然自分には担当医の診断書はない。
“dr.、実はまだアメリカに来たばかりで、保険もまだ加入しておらず担当医がいない状態なんです。日本にいたときは何度も医者に診てもらいましたが、超音波のリハビリ、痛み止めの処方箋しか受けた事がありません。”
”なるほど、事情はよくわかりました。じゃ今から私がいろいろあなたの症状について質問していきますね。”
ということは、ここで彼が担当医になって診察もして、推薦状も出すという策に出るのかと憶測に耽った。ここで自分の腰痛のレベルが医療大麻処方に値するのかと自分の中で疑問が出だした。
“ちょっと立ち上がって向こうを向いて前屈してくれないかな?痛いところで止めて、どこが痛いか君の口から説明してくれるかい?”
昔から体の柔軟性がない。前屈なんでほとんど曲がらない。気づいたらここが限界です、お尻、腰、肩、首全部痛いですと答えていた。
“よろしい、じゃ次にこの腰痛によって普段の生活にどのような支障がありますか?”
ここで変な回答をして駄目になってはいけないので答えを考えてしまった。
これは落とす試験ではない。推薦状を出さなくてはDr.には報酬が入ってこない。質問が誘導的になりだす。
“腰がいたいからバスケットボールができないじゃないよね、でも何か日常生活で困る事はないかね?”
ちょっとまてよ、昨日皿洗いしてた時腰痛くなったな、
”皿洗いとかしてるとき腰痛くなります”
いいぞ、その調子だと言わんばかり、皿洗いの時痛くなるとカルテに書き出す。正解だったらしい。
“後仕事は家でパソコンに向かってする事が多いので長時間椅子に座るのがつらいです”
”マリファナを吸った事はあるだんよね?すったらそれは改善されるかい?”
”はい、体全体がリラックスして痛みが改善されます”
この回答が終わる頃にはDr.がカルテにサインを書き終わっていた。
”じゃ質問はこれで終わり。受付の彼に後の事は質問してください。You are good to go. ”
” thank you doc”
この瞬間、アメリカに移住して3週間余りの新人移民に医療大麻ライセンスが与えられた。
オフィスから出ると、さらにもう一人待ち合い場所に患者が増えていた。月曜日の昼12時台の話である。
2009
問診票
日本でもそうだが、初診の時はアメリカでも問診票を書かされる。
住所氏名、生年月日、身長、体重、性別、
風邪をひいたときに内科医に診てもらう順序と全く変わりない。
全部で9ページの問診票。なかなか手強い。席について1分程だと思う、
先に来ていた患者が殺風景なオフィスの一番奥のドアからゆっくり歩いてくる白衣の白人Dr.に呼び出され、奥へと旅発った。
緊張感が増してきた。この時点で自分はまだ1ページ目が終わった位。
また1分もしない間に今度は次の患者がやってきた。20代前半のメガネの白人青年。
こいつのどこが悪いんだ?と内心思いながら問診票に回答していく。
問診票を丸覚えするつもりで望まなかっため、詳細はうる覚えだが、
症状、慢性的な腰痛を選択
保険は適用されないが大丈夫か? yes
レコーダー等を隠してないか? yes
いつ頃から症状を抱えているか? 1999年頃から
今その症状の為に服用している薬はあるか? no
マリファナをすった事はあるか? yes
吸うと症状は改善するか? yes
どれぐらいの頻度で吸引するか?
といった感じだろうか。その後、カリフォルニアの医療大麻の法案について述べてあり、理解したかどうかを答えて問診は終了。
非常に簡単である。
今時コンタクトレンズを購入する時、いちいち町の眼医者に見てもらってコンタクトレンズを処方してもらうだろうか?
昔はコンタクトレンズを処方する眼医者と薬局が一緒になったアイシティみたいな所に行き、いっぱい待たされて、お金をたくさん払ってコンタクトレンズを処方してもらってた事を思い出す。そういうところは大阪でいうと梅田とか、難波とか、東京でいうと渋谷、新宿、池袋っていう街中の雑居ビルだった。
今の世の中、日本でもコンタクトレンズは度数さえ知っていればインターネットで簡単に手に入る。
簡単さで比較するとカリフォルニアでの医療大麻はこれぐらいのレベルと言えるだろう。
実際ライセンスを取得すれば合法に通販でマリファナが手に入る時代。
10分ぐらいかけてすべてを記入。ほっとして顔を上げると3歳ぐらいの女の子だろうか、子供をつれた夫婦がそっと新たに席についていた。
2009
予約
まだ夏のように暑い南カリフォルニア。正午の予約。
フォーチュン500カンパニーがぽつぽつ支社を構えるグレンデール市内。
1回には大きな銀行を構える6階建てのビルの6階。ここがdrのオフィスである。
受付にDrの予約が12時にあると伝え、エレベーターで6階まで。
日本なら数社で分け合って使えそうなビルの最上階。
薄暗く、前テナントが引越してからのレノベーションは加えられず、何もない。
この広い正方形の空間の右端にオペレーションセンターは設置されている。
一つの机、電話、パソコン、複合プリンター、キャビネット、電気、椅子10個程にコーヒーテーブル。
香港の雑居ビルで占い師だけが集まる場所を思い出した。殺風景である。
自分の前にすでに患者が1人。
金髪ソフトモヒカンの白人の彼が2種類の写真付き身分証明証の提示を求めた。
カリフォルニアステイトIDはライセンス発行の時に使うので彼が保管。
グリーンカードを返してもらい、その場で問診票を受け取る。
2009
GLENDALE
今回お世話になる病院というか、団体なのか、
marijuana medicine evaluation centers 略して MMEC
というメディカルDr.が大麻を処方してくれる施設といった方がいいのか。
カリフォルニアに全部で10カ所。
その中でアルメニア系住民がたくさんいる事で有名なグレンデール市を選んだ。
先日電話で話した彼に再度電話をする。
”来週の月、水、金の12時以降ならいつでもいいよ”
”じゃ月曜日の12時でお願いしたい”
”了解、それでは月曜日の12時、身分証明書と医者の推薦状もって来てください。”
”前回もいったが、日本から来たばかりで主治医の推薦状などない”
”大丈夫だから身分証明書だけ忘れずもってきてください”
こうして簡単にすべて事は進んでいくのであった。
